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こどものやる気を引き出す関わり方や問題行動との向き合い方について〜その1〜

このコーナー(学び トークショー)では業界のトップランカーの方々を招き、各分野の専門的な話をトーク形式でお話していきます。

幼児教育のこと、職場のコミュニケーション、こどもとの関わり方や食育など様々なジャンルの内容をお伝えしていきます。

保育士やこどもと関わる保護者、社会人として役立つ情報などいろいろな立場の方々のお力になりたいという想いからこのような企画を発信しています。

今回は、子どものやる気を引き出すスペシャリストとして一般社団法人 子供の夢育成支援会代表の星 富夫先生をお招きし

『こどものやる気を引き出す関わり方や問題行動との向き合い方について』のお話をお伺いしました!

栃木県栃木市のふじおか幼稚園の園長、市村弘貴(いちむら ひろき)です。
保育園や幼稚園の先生はすごく夢のある仕事ですが、悩みが多い職種でもあると思いまして、みなさんが保育を楽しめる環境を作りたいという思いからこの会を開きました。
今日は星先生をお呼びして、保育士だけでなく、子育てをされているすべての方にとってためになる内容をお届けしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

ふじおか幼稚園で副園長と未就園児親子教室の担当をしています、白石和子(しらいし かずこ)と申します。よろしくお願いいたします。

星富夫(ほし とみお)と申します。私は大手幼児体育の会社から独立して8年、こどもたちのやる気を引き出し、運動神経を養うことをコンセプトにした『こどもの夢支援育成会』という会社を運営しています。体を動かす楽しさ、幼児期に必要なものを提供する体操団体です。市村先生とご縁があって、ふじおか幼稚園のこどもたちに体操指導をさせていただいています。今日はよろしくお願いいたします。

こどもにとっての「やる気」とは??

星先生は色々な角度からこどもたちのやる気や成長をお手伝いしているので、子育てママ、パパや保育士さんにとっても参考になるお話になると思います。
今回は、『こどものやる気の引き出し方』『こどもの問題行動との向き合い方』についてお話をしていきたいと思います。
やる気の裏にはいろんなものが隠れていると思うんですけど、星先生の中で『やる気』というのはどういうイメージですか?

こどもに「やる気ある?」って質問したところで、「やる気ない」って言う子はいないと思うんですよね。
私が思うに、大人が勝手に外側から見て、「この子はやる気ない」「この子は本当はやる気ある」って、勝手に決めつけてることが多いんじゃないかなと思うんです。
やる気を上手に出せる子と出せない子がいるんだと思うんです。
そこを理解した上で目の輝きを観察していただきたいなと思います。
やる気のある子は目が違うと思うんですよ。

目の輝きですね!こどもと関わる上で大切にしたい部分ですよね!
星先生の言うように、こどもに対し「やる気がない」と大人が感じるとき、『やりたがらない子』と『やれない子』、の2つに分かれるかなあって思うんです。
単純にやり方が分からないってことってありますよね。気持ちの問題もあると思いますし。そういったエピソードはありますか?

10人いたら10通り、100人いたら100通りの『やる気スイッチ』を探していくのが大事だと思うんですよね。
褒められて伸びる子、競争して1番になりたがる子とその子によって違いますから。
例えば跳び箱5段跳んでる子に「6段跳んでごらん」って、ちょっと難しいことに挑戦させてみるとやる気スイッチが入ったりする子もいると思います。
今は3パターンしかお話してないですけど、その子その子に合ったポイントがあると思うんですよね。

大人の役割は環境を与えてあげること。
例えば、大人に応援されるよりも同級生に応援してもらったほうが燃えると思うんですよ。できるようになった子も、みんなの前でお手本をやらせると急にできなくなったりするんです。
だけど、見ている同級生に「パワー送って!みんなで応援して!」ってお願いすると「ポーン!!」とできたりすることがあるんです。
きっとそういった応援は同じ学年の子から与えたほうがパワーがでるんじゃないのかな。集団でやっていると不思議なパワーがあるんです。
そんな形でその子に合ったやる気スイッチを探すっていうことですね。

星先生はよく、『やる気スイッチ』って言いますけど、そのスイッチは人によって違うようなイメージなんですかね。

そう思います。
体操服に園のロゴマークがあるじゃないですか。
「よし、みんなのやる気スイッチは幼稚園のマーク!スイッチオン!」って言うだけで急に速く動けたり。
子供だましって言ったらそれまでなんですけど、それはテクニックでも何でもなくて、こどもたちにきっかけを与えてあげる。
手取り足取り教えるよりも、環境を作ってあげて「よし、やってみよう」って言ったほうがやる気出ますし、できなくても自分から何度もチャレンジしますよね。

集団の中での「やる気」の育て方

星先生の実際の指導を見ているとパーソナルトレーニングのようで。
A君にはこうだけど、B君にはこう、みたいに個人に合わせた対応をされているように感じます。
幼稚園とか保育園って集団で、そうした集団の中ではなかなかできないスキルだなって感じているのですが、こどもそれぞれ「やる気のポイント」が違うっていうのと近いと思うんですけど。

集団の力ってすごく大きいので、一斉にやることも大事だと思うんです。
例えば跳び箱だと、『跳べる子』『走って跳ぶのが苦手な子』『全く跳び越せない子』が大体2:6:2に分かれるんですね。
指導しながらそれとなくグループで分けて、普通に跳べる子はもっと上手になるような練習、真ん中の子は走って跳ぶための動作の練習、跳び越せない子は跳び越すための練習を組み立てます。できたら次に行けるっていうのが大事だと思っています。

その中で一番気をつけなきゃいけないのは、やっぱりこども自身がやる気になることです。やる気になると夢中になるんですよね。かけっこでもそうですよね。競争しながらニコニコ走ってる子ってあんまり見たことないです。歯を食いしばってね。

違う顔になりますよね。

ですよね。だから夢中にさせるのがポイントだと思います。
目に注目するんです。
どうしても苦手な子は目の表情になんとなくサインが出ているので。
やがてはできるようになると思うんですけど、その子にとってはすごく苦痛な時間になることが多いと思うんです。
それで嫌いにならないように寄り添ってあげたり、ちょっとずつでもできるようになってきたことを体感できるような動きとか言葉がけとか気をつけてあげなきゃいけないですよね。

一般的な体操指導って一斉にやるようなイメージじゃないですか。星先生の指導だと、3つのグループそれぞれの目標を設定して、『やらされている子を作らない』というか、それぞれの主体的な目標を作って伸ばしてあげるイメージですかね。

そうです。目標があるのが一番だと思いますが、元気よく数を数えるのもいいんです。「今日は本を何ページ読むぞ!」とか。目標でもあるので、10がんばるぞと言ったら10やる。10できたら次は15、15できたら20って目標設定して、こどもたち自身がやる気を持てる形がいいと思うんです。
「これを10やりなさい」ってなっちゃうと、やらされたことになっちゃうので。

難しいですよね。

難しいんです(笑)
面白い子がいて、例えば1つできたときに、普通の子は「次の目標は10!」って言うんですけど、「2」っていう子もいて。
そのときに「ええ、2?」って言わないで、「よし、2か!」って言う。
そこで同調してあげるといいと思います。

 こどもはみな「成長したい」という気持ちを持っているものです。

こどものやる気を大人が判断するのではなく、どうしたらこども本来のやる気を引き出すことができるのか、

やる気がでる環境をつくることができるのかが、こどものやる気を引き出すポイントになります。

とても参考になるお話でした。

こどものやる気を引き出す関わり方や問題行動との向き合い方について〜その2〜へ続く・・・

 

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