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斎藤佳子先生【STEPラボ施設長】に聞いてみた!後編~専門的な知識からそれぞれにあった療育を 保育現場との連携の大切さとは~

保育士という仕事の素晴らしさや魅力を、いろいろな方にお伝えしたい!!

そんな思いから、ふじおか幼稚園で働いている先生たちにインタビューしました♪

楽しい話や深い話、面白エピソードなど・・・。

日々、こどもと関わっている先生だからこそのお話をインタビュー形式で紹介します!

今回も前回に引き続き、STEPラボの施設長を務めている斎藤佳子先生にンタビューをしてみました!

●どんな療育がありますか?

具体的にSTEPラボではこどもたちにどんな療育を行っていますか?

こどもたちが苦手なものの種類によって色々な種類の療育内容があります。
例えば、人が多い所が苦手や視覚からの情報が多いのが苦手、聴覚からの情報が多いのが苦手など過敏性のあるこどもたちには『感覚統合療育』を行います。
内容としてはトランポリンや平均台、遊具などを用いたり、追いかけっこや鬼ごっこなどあそびに近い感覚で訓練をしています。
あそびに近い内容で行うことで、楽しく行え、楽しみながらも少しずつ五感を刺激することで過敏性を下げる方法を取り入れています。

他にも手先を使うことが苦手な子に対しては、ビーズ通しなどのビーズあそび、洗濯バサミを使用したり、ボタンやホックをつけたり外したり、チャックの開け閉めなど日常生活でも行うような内容を取り入れた療育をしています。

楽しみながらあそびの延長のような形で訓練するとこどもたちもやらなきゃっていうよりも自然と訓練に繋がっていていいですね。

そうですね。
その他にも『ソーシャルスキルトレーニング』も行っています。
ソーシャルスキルトレーニングとは状況の把握やルールなどの理解、他との距離感などを養う訓練です。前回もお話しましたが、自分の感情をコントロールしたり、相手の気持ちを読み取ったり、今の状況を理解したりなど今後今より大きな集団に向けて非常に大切なスキルとなっていきます。
そういったスキルを絵カードなどを用いて状況を把握したり、相手の感情を伝えたりしています。

あとは全体には、1日の流れやスケジュールを目で見てわかるようにホワイトボードなどを使って示しています。
こどもたちに初めと終わりを目で見てわかりようにし安心できるような環境づくりもすごく大切になっていますね。

STEPラボでは上記のような療育の他に専門的な検査を行っているようですが、どういった検査になるんですか?

K-ABC検査という専門的な検査を年2回実施しています。
検査というとすごく難しかったりかたいイメージがあると思いますが、楽しくやるような内容になっています。
この検査の良さはその子の『得意なこと』『苦手なこと』が客観的に数値で判断できるところにあります。

こどもによっては得意なことと苦手なことにすごく差がある場合もあります。
得意なことを見ると『なんでこんなことが出来ないんだろう』って苦手なことに対して『〇〇はこんなに出来るのに××は全く出来ない』といった風にマイナスなイメージを思てしまう場合があります。そういったことを避けるためにその子の『得意なこと』『苦手なこと』をわかりやすくし、その子に接する際に苦手なことに対して感情的になる事がないように出来ます。

そういった部分では細かくデータとして出るのでいい部分かなと思います。
その他にもK-ABC検査をより分かりやすくした『フロスティック視知覚発達検査』や『JSI-R検査』といった過敏性のチェックをする検査なども行い、よりひとりひとりにあった療育を行えるようにしています。

●保育現場の職員との連携について

現在、STEPラボは学園内のこどもたちが通っています。普段は各々の園で生活している為、現場の先生たちとの情報交換や共有がこどもたちにとっても現場にとってもすごく意味のあることだと思います。
斎藤先生が考える現場とSTEPラボの連携についてお話いただけたらと思います。

園の生活では集団の中で生活しなければなりません。でもこどもによってはその集団に入るのが苦手だったり、個々に関わっていけば出来たり理解できることも、集団では苦手意識が先行して出来なかったり、やってみようという思いが弱まってしまう場合があります。
STEPラボでは個別支援がメインになっているので、その子がどんなことが得意でどんなものに苦手意識を持っているかをよりじっくりと分析できます。そういった関りを通して集団ではなかなか気持ちが向かない原因を考えたり、現場に伝えたり情報の整理整頓ができるのは良い所かなと思います。

先生たちもこどもたちが集団に入れなかったりすると自分たちの力量不足と考えてしまう先生も正直いると思います。決してそんなことはありませんし、こどもたちをどうすればいい方向に導けるのかを先生たちはいつも考えてくれていると思います。
私たちのように専門的な施設職員と連携することで、集団の中で生活するための工夫をより一層していただけるのかなと思います。そういった点では先生とこどもたちがより向き合えるような保育の環境を整えられるヒントを出せる機会を与えるきっかけが私たちと保育現場の連記に繋がるのではないのかなと考えています。

色々な方法、工夫をすることで集団に入るための課題を見つけることができると考えています。
『この方法なら』『こういった工夫をしてみたら』といった風に確認作業が一緒にできることは
いい点ですね。仮にうまくいかなければまた別の方法を考えればいいのです。
1つやって終わり、結果が出なかったらもうダメではなく、色々試して工夫して、また考えて、先生たちの課題も一緒に考えこどもたちにとっていい環境や状況を作っていければなと思います。私たちも言って終わりじゃなく支援の繋がり・連続性を大切にしていきたいです。

こどもたちが集団で生活が出来るように日々楽しみながら得意なことはもっと伸ばし、苦手なことにもやってみようと思えるような関わっている斎藤先生。

こどもたちや先生たちにとってなくてはならない存在にSTEPラボがなっていくといいなと思います。

写真:髙久 尚貴

インタビュー、ライティング:新井 弾

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